撮影スタジオ開設、出張配信機材の拡充に使えそうな補助金(令和7年度最新情報)

先日、1月21日に「スタジオ開設資金調達のための補助金勉強会」を開催いたしました。内容が少し複雑でしたので、復習も兼ねてこちらにまとめたいと思います。ご参加された方にも、興味があるけど参加できなかったという方にも、参考になれば幸いです。

小規模事業者持続化補助金

この補助金は令和7年度の公募はまだ開始されていませんが、すでに予算は組まれていますので、実施は決定しています。内容はまだ発表されていませんが、令和6年度までの内容から大きく変わらないと予測されています。販路開拓を目的としており、新たな市場への参入や新規顧客層の獲得に使用できます。

(販路開拓の例)
・これまでは東京を中心に展開していたけど、これから地方に進出する
・これまでは個人向け(toC)に販売していたけど今後は法人向け(toB)に販路開拓する
・これまでは若者向けのサービス中心だったけど今後はシニア向けのサービスを展開する

小規模事業者向けの補助金ですので、サービス業では従業員5名以下(製造業は20名以下)の小規模事業者が対象となります。補助率は通常3分の2で、上限額は500,000円ですが、インボイス特例や賃金引上げ特例を利用すると最大2,500,000円まで増額されます。創業3年以内の事業者向けの創業型枠もあり、最大2,000,000円(インボイス特例利用で2,500,000円)まで申請可能です。申請は公募開始後にオンラインで行い、審査を経て採択された後に購入や支出が可能となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小規模事業者持続化補助金は販路開拓を目的とし、機械装置や広告費など幅広い用途に使えますが、パソコンやタブレット、ウェブカメラ、パソコン周辺機器など汎用性の高いものは購入できません。弊社のお客様のほとんどは、カメラは購入していますが、一部対象外になったケースもあります。

直近、第15回の採択率は41.8%、第16回の採択率は37.1%と低下傾向にあります。商工会議所などでも申請書作成のサポートを行っています。

令和7年度公募は2月か、遅くても3月に開始し、2~3週間程度で締め切ることが予想されていますので、検討している方は早めの準備が必要になります。

ものづくり補助金

小規模事業者持続化補助金は機械装置や広告費など幅広い用途に使える一方で、ものづくり補助金は新たな製品・サービス開発のための高額な機械設備の導入に使われます。

当社のお客様の事例では、XRバーチャルスタジオ構築や、ホールイベント等の大規模配信サービス体制構築などが採択されています。パソコンの導入に関しましては、通常の事務用パソコンはNGですが、4K8K動画編集用高性能ワークステーション等の購入は可能でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ものづくり補助金総合サイト https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html

中小企業省力化補助金

カタログ注文型と一般型の2種類があります。 カタログ注文型は採択率100%で複数回申請可能ですが、工業会の認定した特定製品に使えるもので、現在映像関連機器で使えそうなものは登録がありません。一般型は業務プロセスの自動化や効率化を可能とする機械設備導入に使用ができます。令和6年の、ものづくり補助金の「省力化(オーダーメイド)枠」で公募された内容が移ってくるものと考えられます。

以下は令和6年度の要綱となります。

「人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等により、革新的な生産プロセス・サービス提供方法の効率化・高度化を図る取り組みに必要な設備・システム投資等に対する申請枠。」※ デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)とは、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、単一もしくは複数の生産工程を自動化するために、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステム(ロボットシステム等)のこと。
デジタル技術等を活用せず、単に機械装置等を導入する事業については本事業の対象外。

去年までは、オーダーメイドの設備という要件あり、どちらかというと製造業や工場の設備などで導入するイメージで、映像事業では使うのは難しかったのですが、この部分が今年もう少し変わってくると使える企業さんも増えるかもしれませんね。

中小企業省力化投資補助金 https://shoryokuka.smrj.go.jp/

業務改善助成金

業務改善助成金は、賃上げを行う企業に対して生産性向上のための設備投資等を支援する助成金です。研修費にも使えますので、スタッフの技術向上にも投資ができます。賃上げ額と人数に応じて300,000円から最大6,000,000円まで支援されます。他の補助金と違い、先着順で予算がなくなるまで採択されます。4月以降の募集開始が予想され、賃上げ前に申請することおススメします。

業務改善助成金 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新規事業への参入や事業転換を支援するもので、建物の新築や改修も対象となります。現時点(2025年1月23日現在)ではこちらの補助金のみ公募開始しており、3月26日まで応募可能です。
成長分野進出枠とコロナ回復枠があり、成長分野進出枠の補助金額は中小企業で最大6000万円で、2分の1(中堅企業は3分の1)の補助率、コロナ回復枠の補助金額は1500万円となっております。

この補助金は今回の13次公募が最後となり、来年度は新たに「中小企業新事業進出補助金」が始まる予定です。

前回採択率は約26.5%とかなり低くなっており、都道府県によっても採択率にばらつきがあります。補助金額は大きいですが難易度の高い補助金となっております。ここでは詳しい説明は割愛させていただきますが、興味のある方はプロ機材ドットコムまでお問い合わせください。

事業再構築補助金 https://jigyou-saikouchiku.go.jp/

中小企業新事業進出補助金

基本要件は、『中小企業等が行う既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的とした事業』とされています。
令和8年度末(2026年3月31日)までに公募回数は4回程度、採択予定件数は計6,000件程度になります。

【活用イメージ】

  • 機械加工業でのノウハウを活かして、新たに半導体製造装置部品の製造に挑戦

  • 医療機器製造の技術を活かして蒸留所を建設し、ウイスキー製造業に進出

補助金申請と活用のスケジュール

補助金の公募は早ければ2月に始まる可能性があり、早めの申請が重要です。毎年、年度最初の公募の方がそれ以降の公募よりも予算枠が大きく、採択率も高い傾向にあるため、可能であれば最初の公募での申請を推奨していいます。2月~3月の最初の公募で採択されれば、6月ごろには機材の導入が可能となります。
導入機材や事業計画についてのご相談、申請書の書き方については、個別相談を通じてご支援可能ですので、お気軽にご相談ください。

info@prokizai.com

担当:森下

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